狭き家の内の主人と 051
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第4章05
狭き家の内の主人とすべき人一人を思ひめぐらすに 足らはで悪しかるべき大事どもなむかたがた多かる
せばき/いへ/の/うち/の/あるじ/と/す/べき/ひと/ひとり/を/おもひ-めぐらす/に たらは/で/あしかる/べき/だいじ-ども/なむ/かたがた/おほかる
(左馬頭)狭い家の内の中心となるべき人ひとりについて思い巡らすに、なくては困る大事な点があれこれ多いものです。
帚木 注釈 第4章05
家の内の主人 02-051
正妻、第一夫人。正妻がしっかりしていなければ、第二夫人以下女房たちなど好き勝手な行動に出て家が安定しない。政治の世界に比喩をとってきた理由である。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:妻候補/発言者(左馬頭)
《狭き家の内の主人とすべき人一人を・思ひめぐらすに》A・B
狭い家の内の中心となるべき人ひとりについて思い巡らすに、
《足らはで悪しかるべき・大事どもなむ・かたがた多かる》C・D・E
なくては困る大事な点があれこれ多いものです。
分岐型:A<B<(C<)D<E:A<B<D<E、C<D
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
情報の階層&係り受け
大構造(に…なむかたがた多かる/四次
〈[発言者]〉狭き家の内の〈主人〉とすべき人一人を思ひめぐらすに 足らはで悪しかるべき〈大事ども〉なむかたがた多かる
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐