下のきざみといふ際 028

2021-01-1902 帚木01章~06章

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章20

下のきざみといふ際になれば ことに耳たたずかしとて いと隈なげなる気色なるもゆかしくて

しも/の/きざみ/と/いふ/きは/に/なれ/ば ことに/みみ/たた/ず/かし/とて いと/くまなげ/なる/けしき/なる/も/ゆかしく/て

(頭中将)下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

隈なげなる:隈なきもの言ひと対比的

暗いところのない、すべてを知りつくした、と解釈されているが、後の左馬頭の論に対して「隈なきもの言ひ/02-061」とあり、これと対比して使用されている。「げ」とあるので、一見そうだが、本当はそうでない、見かけ倒し、とのふくみを見逃してはならない。

帚木 注釈 第2章20

きざみ 02-028

上の品、中の品、下の品、という品の区分よりも細分化した区分。ただし、ここは「下の品」と同意で用いられていると見てよい。

気色 02-028

様子。

ゆかしくて 02-028

知りたいの意味。

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:下の品の女世の男頭中将光源氏

下のきざみといふ際になれば・ことに耳たたずかしとて》A・B
下の位という身分になると、特に耳を立てる気になれないからと、


いと隈なげなる気色なるもゆかしくて》C
えらく分け知り顔をしているのもおもしろくて、

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

大構造(もゆかしくて/四次)& 係り受け

〈[女]〉下のきざみといふ際になれ ことに〈[男の]耳〉たたずかしとて 〈[頭中将]〉いと隈なげなる気色なるも〈[光源氏]〉ゆかしくて

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「耳立たず」は自動詞。男の耳のアンテナが動かないことを言う。主語は殿方。

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