いでや 上の品と思 045 ★☆☆

2021-01-1102 帚木01章~06章

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第3章14

いでや 上の品と思ふにだに難げなる世を と君は思すべし

いでや かみのしな/と/おもふ/に/だに/かたげ/なる/よ/を と/きみ/は/おぼす/べし

(光源氏)どうだか、上流貴族と思う女性の中にさえ予想を越えた女性はめったにいない世の中なのに、と若君はお思いのようである。

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

いでや上の品と思ふだにかたげなる世を:上流の女性であってもめったにいないとはどんな人のことか

「いでや」は議論に対して、そんなことはないとの反論に用いる。通例、理想の女性が「かたげなる(めったにいない)」と解釈されている。しかし、左馬頭の発言は理想の女性についてではない。左馬頭の話の焦点は、キーワードを拾い出せば自然とわかる。「人に知られず/02-041」「思ひの外に/02-041」「思ふより違へること/02-042」「思ひの外に/02-043」と、繰り返されている。中流の女には予想もしないこんないい女がいるんだとの話。これに対して、光源氏は予想外予想外と言うけど、上流の中にだって、予想外の女なんかめったにいるものではない(藤壺以外には)との意味になる。光源氏は藤壺の宮に対して「似る人なくもおはしけるかな/01-173」と感想を述べている。この議論の最中も、ぼんやりと藤壺のことだけを考えつづけ、議論には積極的に参加していない。この議論を聞いて中流女性に目覚めたと解釈されているが、言葉が事実になるという「(言=事)構造」の例ではあるものの、それは光源氏の意図せぬ結果である。

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:中の品で興味をひく女上の品で興味をひく女光源氏

いでや・上の品と思ふにだに難げなる世を》A・B
どうだか、上流貴族と思う女性の中にさえ予想を越えた女性はめったにいない世の中なのに、


と君は思すべし》C
と若君はお思いのようである。

分岐型:A+B<C:A+B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

大構造(を…と…は思すべし/三次

いでや 〈上の品〉と思ふにだに難げなる と〈君〉は思すべし

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

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