いとさばかりならむ 024

2020-09-17☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章16

いとさばかりならむあたりには 誰れかはすかされ寄りはべらむ

いと/さばかり/なら/む/あたり/に/は たれ/かは/すかさ/れ/より/はべら/む

(頭中将)まったくそんなつまらないところへは、誰がだまされて言い寄りましょう。

解釈の決め手

いとさばかりならむあたりには誰れかすかされ寄りはべらむ:頭中将の生真面目さ

先の頭中将の論は、仲人に言いくるめられるので、実際に女と接しないと欠点は見えてこないというものであった。この論からすれば、取り柄がない女に誰も言い寄らないというのはおかしい。取り柄がなくても仲人に騙されるのだから。ただ、頭中将の頭の中では、全く取り柄のない女など下賎な身以外に考えられず、下賎な女には、仲人がどうごまかそうが、はなから相手にしないとの結論があり、この発言になったのだろう。頭中将は恋の道では先輩風を吹かせたいがために、光源氏の前では恰好をつけていたい。しかし、光源氏の質問は議論の出発点を混ぜ返すものであり、これにまじめに答えようとして、あたふたしている姿が浮かぶ。

語りの対象&構造型

対象:見所のない女世の男

いとさばかりならむあたりには・ 誰れかはすかされ寄りはべらむ》A・B
まったくそんなつまらないところへは、誰がだまされて言い寄りましょう。

直列型:A<B:A<B

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:には…かはすかされ寄りはべらむ/二次

いと〈さ=片かどもなき〉ばかりならむあたりには 〈誰れ〉かはすかされ寄りはべらむ

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「さばかりならむあたり」:「片かどもなき人/02-023」


「誰れかは」:反語