いと聞きにくきこと 031

2020-09-20☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章23

いと聞きにくきこと多かり

いと/ききにくき/こと/おほかり

何とも聞いていて呆れてしまう議論が多くございました。

解釈の決め手

いと聞きにくきこと多かり:解釈の多様性

いくつか解釈が可能な表現である。議論が女性論なので女の身として耳が痛いという解釈が一般的である。源氏物語を読み聞かせている相手は中宮など上流貴族なので、彼女たちに対する前置きでもある。。しかし、そうしたコメントは物語の筋を補足する働きをしていない点で弱い。
「いと聞きにくきこと」の主体を議論全体とせず、頭中将の発言に限定すれば、別の解釈が成り立つ。文の流れとしても、前文の「中将待ちとりて…争ふ」を受けると考える方が自然である。頭中将はがんばって左馬頭に議論をふっかけたが、議論として聞くに耐えるものではなく、すぐにまるめこまれてしまった。頭中将と光源氏は年齢的にも女性経験においてもさほど違いがあるわけではない。頭中将はここでも滑稽な役割を割り振られたのだ。

語りの対象&構造型

対象:語り手の感想

いと聞きにくきこと多かり》A
何とも聞いていて呆れてしまう議論が多くございました。

直列型:A:A

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:多かり/二次

〈[頭中将の議論]〉いと聞きにくき 〈こと〉多かり

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐