よろづのことによそ 085
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第6章03
よろづのことによそへて思せ
よろづ/の/こと/に/よそへ/て/おぼせ
(左馬頭)いろいろなことに引き比べてお考えください。
帚木 注釈 第6章03
よそへ 02-085
なぞらえて。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:主に光源氏
《よろづのことによそへて思せ》A
いろいろなことに引き比べてお考えください。
直列型:A:A
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
情報の階層&係り受け
大構造(によそへて思せ/一次
〈[光様]〉よろづのことによそへて思せ
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
※以下の左馬頭の発言は、多様な解釈が行われているので、最初に内容を整理しておく。指物・絵・書はいずれの場合でも、空想にまかせた奇抜な作品は、こんな作品もあるのかと最初は目を引くが、引き比べるモデルが実在しないため、出来不出来の判断がむずかしい。一方、誰もが知っている実在のテーマであれば、真に迫るかどうかの判断がつくので、おのずと上手下手の弁別ができる。これを結婚相手の女性を選ぶときの基準に置き換えるならば、手紙の書き方や音楽の腕前など教養として女性が身につけた心得などは興味を引きつけはするが、将来を頼む相手として実態をはかる基準にならない。そうした外付けの飾りに目を奪われず、誰もがもっているもの、やさしさや誠実さなどの心根こそが、結婚相手の善し悪しを決める大事な基準である、という内容。