宮仕へに出で立ちて 036
宮仕へに出で立ちて思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども多かりかし 原文 読み 意味 帚木第3章05/源氏物語
宮仕へに出で立ちて 思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども多かりかし など言へば
みやづかへ/に/いでたち/て おもひかけ/ぬ/さいはひ/とりいづる/ためし-ども/おほかり/かし など/いへ/ば
(頭中将)思い切って宮仕えをはじめ、予期せぬ幸運を手に入れる例も多いでしょうね、などと中将が言うと、
大構造(言へば/三次)& 係り受け
〈[娘]〉宮仕へに出で立ちて 思ひかけぬ幸ひとり出づる〈例ども〉多かりかしなど 〈[発言者]〉言へば
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
宮仕へに出る主体は明らかでないが、文のつながりから「非参議の四位」の娘であり、これと構造的に対をなす「受領」の娘と考えるのがよい。
「言へば」→「(とて)笑ひたまふ/02-037」
帚木 注釈 第3章05
出で立ち 02-036
意気込んでスタートすること。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:受領や参議格の娘/発言者(頭中将)
《宮仕へに出で立ちて・思ひかけぬ幸ひとり出づる例ども・多かりかし》A・B・C
思い切って宮仕えをはじめ、予期せぬ幸運を手に入れる例も多いでしょうね、
《など言へば》D
などと中将が言うと、
直列型:A<B<C<D:A<B<C<D
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用