さりぬべきすこしは 011
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章03
さりぬべきすこしは見せむ かたはなるべきもこそと許したまはねば
さりぬべき/すこし/は/みせ/む かたは/なる/べき/も/こそ/と/ゆるし/たまは/ね/ば
(光源氏)見せていいのはすこしは見せますよ。でもみとっともないのがあると困るのでねと勝手に見ることはお許しにならずにいると、
帚木 注釈 第2章03
さりぬべき 02-011
そうあってもよい、すなわち、見せてもよいの意味。「さ」は「ゆかしがれば」を受け、「みたいという思いをかなえても当然よいもの」を意味する。
かたは 02-011
見苦しい。
もこそ 02-011
将来に対する危惧、この場合そのようなものが出てきたら困るという気持ちを表す。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:光源氏
《さりぬべき すこしは見せむ》A
見せていいのは、すこしは見せますよ。
《かたはなるべきもこそと・許したまはねば》B・C
でもみとっともないのがあると困るのでね、と勝手に見ることはお許しにならずにいると、
分岐型・中断型・分配型:Aφ*A+B<C:A、*A+B<C
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
大構造(は見せむ/一次φ許したまはねば/二次)& 係り受け
@〈[光源氏]〉さりぬべき すこしは見せむ かたはなるべきもこそと@許したまはねば
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
「ゆかしがれば/02-010」→020「許したまはね(ば)」→「(見所はあらめと)怨ずれ(ば)/02-012」→「とり隠したまひつ/02-014」