そこにこそ多く集へ 015
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章07
そこにこそ多く集へたまふらめ すこし見ばや さてなむこの厨子も心よく開くべき とのたまへば
そこ/に/こそ/おほく/つどへ/たまふ/らめ すこし/み/ばや さて/なむ/この/づし/も/こころよく/ひらく/べき と/のたまへ/ば
(光源氏)そちらこそたくさんお集めなんでしょう。すこし見てみたいな。それでこそこの厨子も心よく開こうというものですよとおっしゃると、
帚木 注釈 第2章07
そこ 02-015
同等以下の相手を指す。
見ばや 02-015
見たい。
さてなむ 02-015
そういう条件なら必ず、この場合、私に見せてくれたならきっと。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:頭中将/光源氏
《そこにこそ多く集へたまふらめ・すこし見ばや》A・B
そちらこそたくさんお集めなんでしょう。すこし見てみたいな。
《さてなむこの厨子も心よく開くべき・とのたまへば》C・D
それでこそこの厨子も心よく開こうというものですよ、とおっしゃると、
分岐型・中断型・分配型:AφBφ*A+*B+C<D:A、B、*A+*B+C<D
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
情報の階層&係り受け
大構造(とのたまへば/二次@〈[頭中将]〉そこにこそ多く集へたまふらめ 〈[光源氏]〉すこし見ばや さてなむこの厨子も心よく開くべき と@のたまへば
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
係り受け&主語述語
「(と)のたまへば」→「など聞こえたまふ」