されど賢しとても  050

2020-09-20☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第4章04

されど賢しとても 一人二人世の中をまつりごちしるべきならねば 上は下に輔けられ 下は上になびきて こと広きにゆつらふらむ

されど/かしこし/とて/も ひとり/ふたり/よのなか/を/まつりごち/しる/べき/なら/ね/ば かみ/は/しも/に/たすけ/られ しも/は/かみ/に/なびき/て こと/ひろき/に/ゆづろふ/らむ

(左馬頭)といって大人物がいくら優れていても、一人二人で世の中を治めるなどできはしないので、上の者は下の者の輔佐を受け下の者は上の徳に靡いて少数の為政者から世間へと事が広まり行くのでしょう。

ここがPoint

妻選びの基準

柱石は妻で、婿が君子に当たる。頭中将の妻選びはえり好みの要素が強いが、左馬頭は家を栄えさせることを中心に考え、家の者(下の者)を取り仕切る能力を妻選びの重要要素と考えている。「足らはで悪しかるべき大事どもなむかたがた多かる/02-051」や「わが心と思ひ得ることなく深きいたりなからむはいと口惜しく頼もしげなき咎や/02-060」。さらには、妻を大事を相談する相手との認識も強い。「あやなきおほやけ腹立たしく心ひとつに思ひあまることなど多かるを何にかは聞かせむと思へば/02-060」「さるべきことをも言ひやり/02-061」。

帚木 注釈 第4章04

下は上になびき 02-050

徳による順化、すなわち、草が風になびくように上の者の徳に下の者が靡くの意味、斐然嚮風(漢賈誼『過秦論』)。

こと 02-050

「もの」が人為では変更不可能な存在を示唆するのに対して、「こと」は人為の範囲にある事柄である。ひとつは「言」で命令など、ひとつは「事」で務め、儀式などが範疇に入る。美風と考えればよいかと思う。

広きに 02-050

ヒエラルキーの上位にいる少数者から下位の多数者である民草へ広がること。

ゆつらふ 02-050

事が少数者(上)から多数者(下)へスムーズに伝わるの意味。

語りの対象&構造型

対象:国の柱石上位者下位者為政者の意思

されど賢しとても・一人二人世の中をまつりごちしるべきならねば》A・B
といって大人物がいくら優れていても、一人二人で世の中を治めるなどできはしないので、


上は下に輔けられ・ 下は上になびきて・ こと広きにゆつらふらむ》C・D・E
上の者は下の者の輔佐を受け下の者は上の徳に靡いて少数の為政者から世間へと事が広まり行くのでしょう。

分岐型:A<B<C+D<E:A<B<C+D<E

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:広きにゆつらふらむ/四次

〈[国の柱石]〉されど賢し とても 一人二人世の中をまつりごちしるべきならね  〈上〉はに輔けられ 〈下〉はになびきて 〈こと〉広きにゆつらふらむ

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐