そのうちとけてかた 012

2020-09-17☆☆☆:特別な問題点はない02 帚木,分岐型,分配型

帚木 原文 かな書き 現代語訳 第2章04

そのうちとけてかたはらいたしと思されむこそゆかしけれ おしなべたるおほかたのは 数ならねど程々につけて書き交はしつつも見はべりなむ おのがじし恨めしき折々 待ち顔ならむ夕暮れなどのこそ見所はあらめと怨ずれば

その/うちとけ/て/かたはらいたし/と/おぼさ/れ/む/こそ/ゆかしけれ おしなべ/たる/おほかた/の/は かず/なら/ね/ど/ほどほど/に/つけ/て/かきかはし/つつ/も/み/はべり/な/む おのがじし/うらめしき/をりをり まちがほ/なら/む/ゆふぐれ/など/の/こそ/みどころ/は/あら/め/と/ゑんずれ/ば

(頭中将)その心を許した読まれては恥ずかしいとお思いなのが見たいんですよ。変わりばえしないありふれたのなら、人数にも入らぬわたくしでも分相応な相手とやりとりしながら読みますとも。お互い不実をかこつ折りだとか、人待ち顔でいよう夕暮れなんかの手紙だとか読みごたえはありましょうと恨めしがったところ、

帚木 注釈 第2章04

うちとけて 02-012

安心しきって、何でも書いてある手紙。

かたはらいたし 02-012

そばで読まれて恥ずかしくなるような内容。

ゆかしけれ 02-012

読みたい。

おしなべたる 02-012

内容が平凡なこと。

おほかたの 02-012

相手ややりとりの状況が平凡なこと。

数ならねど 02-012

貴人ではないという謙譲語。人数に入らない。

程々につけて 02-012

自分の身分と相手の身分に応じて。

見はべりなむ 02-012

見られましょう。未来にきっとそうなるという確信、すでに見ているという経験を語る解説があるが間違いである。

おのがじし 02-012

男の方も女の方もそれぞれに。

恨めしき折々 02-012

相手の不実を恨む手紙。左馬頭の語る指を喰う女の先触れになっている。「(言=事)構造」。

待ち顔ならむ夕暮れ 02-012

夕暮れに待ち焦がれた女が男に出す誘いの手紙。左馬頭の語る木枯しの女の先触れになっている。「(言=事)構造」。

怨ずれ 02-012

そういうものが見たいのだと、うらみごとを言う。

語りの対象&構造型

対象:光源氏頭中将普通の手紙プライベートな秘密の手紙

《そのうちとけてかたはらいたしと思されむ こそゆかしけれ》A
その心を許した読まれては恥ずかしいとお思いなのが見たいんですよ。


おしなべたるおほかたのは  数ならねど程々につけて書き交はしつつも見はべりなむ》B
変わりばえしないありふれたのなら、人数にも入らぬわたくしでも分相応な相手とやりとりしながら読みますとも。


おのがじし恨めしき折々 待ち顔ならむ夕暮れなどの こそ見所はあらめと・怨ずれば》C・D
お互い不実をかこつ折りだとか、人待ち顔でいよう夕暮れなんかの手紙だとか読みごたえはありましょうと恨めしがるので、

分岐型・中断型・分配型:AφBφ*A+*B+C<D:A,B、*A+*B+C<D

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

情報の階層&係り受け

構文:と怨ずれば/三次

のうちとけてかたはらいたし と〈[光源氏]〉思されむこそゆかしけれ おしなべたるおほかた 〈の〉は 数ならねど程々につけて書き交はしつつも見はべりなむ おのがじし恨めしき折々 待ち顔ならむ夕暮れなどのこそ見所はあらめ 〈[頭中将]〉と 怨ずれば

主〉述:一朱 二緑 三青 四橙 五紫 六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

係り受け&主語述語

「おしなべたるおほかたのは」→「(書き交はしつつも)見はべりなむ」


「ゆかしがれば/02-010」→020「許したまはね(ば)/02-011」→022「(見所はあらめと)怨ずれ(ば)」→「とり隠したまひつ/02-014」