まだ中将などにもの 003
帚木 原文 かな書き 現代語訳 第1章03
まだ中将などにものしたまひし時は 内裏にのみさぶらひようしたまひて 大殿には絶え絶えまかでたまふ
まだ/ちうじやう/など/に/ものし/たまひ/し/とき/は うち/に/のみ/さぶらひ/よう/し/たまひ/て おほいどの/に/は/たエだエ/まかで/たまふ
エ:や行の「え」
まだ近衛中将あたりでいらっしゃった時は、内裏にばかり居続けるようになさって、大臣邸へは途絶えがちにお出になる。
帚木 注釈 第1章03
中将 02-003
近衛府の次官。従四位で、若年の中将は前途有望な花形貴公子である。
大殿 02-003
妻の実家である左大臣邸。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:光源氏/帝(の側)/左大臣(邸)
《まだ中将などにものしたまひし時は》A
まだ近衛中将あたりでいらっしゃった時は、
《内裏にのみさぶらひようしたまひて・大殿には絶え絶えまかでたまふ》B・C
内裏にばかり居続けるようになさって、大臣邸へは途絶えがちにお出になる。
直列型:A<B<C:A<B<C
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用
情報の階層&係り受け
大構造(には絶え絶えまかでたまふ/三次〈[光源氏]〉まだ中将などにものしたまひし時は 内裏にのみさぶらひようしたまひて 大殿には絶え絶えまかでたまふ
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
係り受け&主語述語
「内裏にのみさぶらひようしたまひて」「殿には絶え絶えまかでたまふ」:並列