人の品高く生まれぬ 026

2021-01-2302 帚木01章~06章

人の品高く生まれぬれば 原文 読み 意味 帚木第2章18/源氏物語

人の品高く生まれぬれば 人にもてかしづかれて隠るること多く 自然にそのけはひこよなかるべし

ひと/の/しな/たかく/むまれ/ぬれ/ば ひと/に/もて-かしづか/れ/て/かくるる/こと/おほく じねん/に/その/けはひ/こよなかる/べし

(頭中将)家柄が高く生まれついたならば、まわりから大切に扱われて人目に立たぬことが多く、自然と周りに与える印象はこの上なくなるでしょう。

大構造(に…の…こよなかるべし/三次)& 係り受け

〈人〉の〈品〉高く生まれぬれ 人にもてかしづかれて隠るること多く 自然の〈けはひ〉こよなかるべし

主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 :分岐

「高く」の主語は「人の品」、「人にもてかしづかれて隠るること多く」の主語は「人」であり、主語が分離状態になっている。これを懸垂構文と呼ぶ。懸垂構文は日本語では横行するが、欧文では非文法とされる。

物語の深部を支える重要語句へのアプローチ

隠るること多く:隠れるのは欠点?

欠点の隠れることが多くと通例解釈される。頭中将の前の発言から考えれば、欠点が隠れるとの解釈は的は外れていない。しかし、欠点が見えないこと(非消極的評価)は、後につづく「自然にそのけはひこよなかるべし/積極的評価)とは結びつきが悪い。ここは単に深窓の令嬢ということ、幾重にも防御がなされていて、人づてにしか情報が外に出てこない。だから先の推論通り、自然に「こよなく」なるのである。

附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)

語りの対象:上の品の女

人の品高く生まれぬれば》A
家柄が高く生まれついたならば、


人にもてかしづかれて隠るること多く・自然にそのけはひこよなかるべし》B・C
まわりから大切に扱われて人目に立たぬことが多く、自然と周りに与える印象はこの上なくなるでしょう。

直列型:A<B<C:A<B<C

 A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む


〈直列型〉<:直進 :倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 :中止法


〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用

読解の要点

・「懸垂構文」:「AのB」+述語M+述語N
述語Mの主語は「(Aの)B」、述語Nの主語は「A」。このように主語の分離した構文。

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