いであな悲しかくは 帚木05章09

2021-04-18

原文 読み 意味

いであな悲し かくはた思しなりにけるよなどやうに あひ知れる人来とぶらひ ひたすらに憂しとも 思ひ離れぬ男聞きつけて 涙落とせば 使ふ人古御達など 君の御心はあはれなりけるものを あたら御身をなど言ふ

02070/難易度:☆☆☆

いで/あな/かなし かく/はた/おぼし/なり/に/ける/よ/など/やう/に あひしれ/る/ひと/き/とぶらひ ひたすら/に/うし/と/も おもひ/はなれ/ぬ/をとこ/ききつけ/て なみだ/おとせ/ば つかふ/ひと/ふるごたち/など きみ/の/みこころ/は/あはれ/なり/ける/もの/を あたら/おほむ-み/を/など/いふ

(左馬頭)なんとまあ悲しいこと、こんなにまでよくもまた思い詰めものですなどと、相知れる人が見舞ったり、ただもうひたすらつらいと、愛情の冷めぬ夫が聞きつけ、涙を落せば、召使や年のいった女房なんかが、旦那さまの御心は情愛に満ちておいででしたのに、もったいなくも御身をお捨てになど言う。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • ば…など言ふ 三次元構造

いであな悲し かくはた思しなりにけるよなどやうにあひ知れる〈人〉来とぶらひ ひたすらに憂しとも 思ひ離れぬ〈男〉聞きつけて 涙落とせ 〈使ふ人古御達など〉 君の御心はあはれなりけるものを あたら御身をなど言ふ

助詞と係り受け

いであな悲し かくはた思しなりにけるよなどやうに あひ知れる人来とぶらひ ひたすらに憂しとも 思ひ離れぬ男聞きつけて 涙落とせば 使ふ人古御達など 君の御心はあはれなりけるものを あたら御身をなど言ふ

「人来とぶらひ」「男聞きつけて涙落とせ」(並列)→「ば」


「ひたすらに憂しと」→「涙落とせば」

古語探訪

憂し 02070

つらい。

思ひ離れぬ 02070

仲が絶えずにいる。

古御達 02070

年寄りの女房。

あたら 02070

惜しくも。

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