ただひたふるに子め 059
ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を 原文 読み 意味 帚木第4章13/源氏物語
ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 心もとなくとも直し所ある心地すべし
ただ/ひたふる/に/こめき/て/やはらか/なら/む/ひと/を とかく/ひき-つくろひ/て/は/など/か/み/ざら/む こころもとなく/とも/なほし-どころ/ある/ここち/す/べし
(頭中将)ただもうひたすら子供子供していて従順な人を、あれこれ繕ってしまえばどうして面倒みないことがありましょう、もどかしい点はあっても直す甲斐がある気がするものでしょう。
大構造(を…ひきつくろひてはなどか見ざらむ/二次φ心地すべし/三次)& 係り受け
〈[男]〉ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ 〈[男]〉〈[女]〉心もとなくとも直し所ある心地すべし
〈主〉述:一朱二緑三青四橙五紫六水 [ ]: 補 /: 挿入 @・@・@・@:分岐
前後の文脈および文の背景
女のアラ
頭中将の意見はもともと「同じくはわが力入りをし直しひきつくろふべき所なく心にかなふやうにもや/02-052」というものであった。
帚木 注釈 第4章13
柔らか 02-059
柔軟性がある。教えがいがある。
などか見ざらむ 02-059
かならず結婚したい。「などか」は反語。
心もとなくとも 02-059
離れている際に安心できない点があろうとも。この点を左馬頭に批判される。
附録:耳からの情報処理(語りの対象 & 構造型)
語りの対象:妻候補/発言者(頭中将)
《ただひたふるに子めきて柔らかならむ人を・とかくひきつくろひてはなどか見ざらむ》A・B
ただもうひたすら子供子供していて従順な人を、あれこれ繕ってしまえばどうして面倒みないことがありましょう、
《心もとなくとも直し所ある心地すべし》C
もどかしい点はあっても直す甲斐がある気がするものでしょう。
中断型:A<BφC:A<B、C
A<B:AはBに係る Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
〈直列型〉<:直進 #:倒置 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
〈中断型〉φ:独立文 [ ]:挿入 |:中止法
〈反復型〉~AX:Aの置換X A[,B]:Aの同格B 〈分配型〉A<B|*A<C ※直列型以外は複数登録、直列型は単独使用