つれづれと降り暮ら 帚木02章01

2021-04-18

原文 読み 意味

つれづれと降り暮らしてしめやかなる宵の雨に 殿上にもをさをさ人少なに 御宿直所も例よりはのどやかなる心地するに 大殿油近くて書どもなど見たまふ

02009/難易度:☆☆☆

つれづれ/と/ふり/くらし/て/しめやか/なる/よひ/の/あめ/に てんじやう/に/も/をさをさ/ひとずくな/に おほむ-とのゐどころ/も/れい/より/は/のどやか/なる/ここち/する/に おほとなぶら/ちかく/て/ふみ-ども/など/み/たまふ

所在ないまま雨に日が暮れしめやかな宵の雨に、殿上の間もすっかり人少なで、御曹司もいつもよりはのどやかな心地がして、光の君は灯火近くで書物などをご覧になっている。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • に…近くて…見たまふ 三次元構造

つれづれと降り暮らして しめやかなる宵の雨に 殿上にもをさをさ〈人〉少な 〈[光源氏]〉御宿直所例よりのどやかなる心地する 大殿油近くて書どもなど見たまふ

助詞と係り受け

つれづれと降り暮らしてしめやかなる宵の雨に 殿上にもをさをさ人少なに 御宿直所も例よりはのどやかなる心地するに 大殿油近くて書どもなど見たまふ

「雨に」(屋外の状況)「人少なに」(屋内の状況)「のどやかなる心地するに」(心の状況):「に」を並記で、リズムとスタイリッシュな形式美が生まれる。

古語探訪

殿上 02009

殿上の間。清涼殿の南廂にある殿上人の詰め所。

御宿直所 02009

光源氏の曹司(桐壺)。「この大臣の御宿直所は昔の淑景舎なり(澪標)」

大殿油 02009

貴人が使用する灯火。

書 02009

書物。

ども 02009

複数あることを示す。

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