繋がぬ舟の浮きたる 帚木05章18
目次
原文 読み 意味
繋がぬ舟の浮きたる例もげにあやなし さははべらぬかと言へば 中将うなづく
02079/難易度:☆☆☆
つなが/ぬ/ふね/の/うき/たる/ためし/も/げに/あやなし さ/は/はべら/ぬ/か/と/いへ/ば ちゆうじやう/うなづく
(左馬頭)繋がぬ舟は流れのままにとの例なんかもまったく無茶もいいとこだ。そうではございませんかと左馬頭が言うと、中将はうなずく。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- ば…うなづく 二次元構造
繋がぬ舟の浮きたる例もげにあやなし さははべらぬかと〈[左馬頭]〉言へば 〈中将〉うなづく
助詞と係り受け
繋がぬ舟の浮きたる例もげにあやなし さははべらぬかと言へば 中将うなづく
古語探訪
繋がぬ舟の浮きたる例 02079
白氏文集の「情(こころ)なき水は方円の器に任せ繋がざる舟は去住の風に随ふ」や文選・荘子を下に敷く。要するに、男はつなぎとめておかねばふらふら風まかせだとの意味。
あやなし 02079
そんなふうに男をふらふらさせるのは、妻の心得としてなってないということ。