手を書きたるにも深 帚木06章07
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:書一般の心構え/心の赴くままに書いた書/丁寧に書の作法に則った書
分岐型:A→[{(B→C)+(D→E)}→F]→G:A→G、B→C→F→G、D→E→F→G
《手を書きたるにも》A
字を書いた場合でも、
《深きことはなくて ここかしこの点長に走り書き そこはかとなく気色ばめるは・うち見るにかどかどしく気色だちたれど》B・C
深い意図などなくて、あちこちの点を書き流しどことなく気分を出している書は、ぱっと見には才気走り雰囲気があるようだけれど、
《なほまことの筋をこまやかに書き得たるは・うはべの筆消えて見ゆれど》D・E やはりまことの筆法通りに細心の注意を払って書きえた書は、見た目のうまさこそ目につかないが、
《今ひとたびとり並べて見れば・なほ実になむよりける》F・G
今一度とり並べて見るとやはり誠実な書に心は惹かれるのです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った