木の道の匠のよろづ 帚木06章04

2021-04-18

耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉

語りの対象:心に任せて作る作品決まった基準のある作品

中断型:A→B→C→D→E|F→G:A→B→C→D→E、F→G

木の道の匠のよろづの物を心にまかせて作り出だすも》A
指物師の匠が、様々な物を心にまかせて作り出す場合でも、


臨時のもてあそび物の その物と跡も定まらぬは》B
一回切りの賞玩物でこうだと作り方に決まりがない時には、


そばつきさればみたるも・げにかうもしつべかりけりと》C・D
一見ふざけた印象にもなるものでも、なるほどこんな風にも仕上がるものかと、


時につけつつさまを変へて 今めかしきに目移りてをかしきもあり》E
時々に合わせて趣向を変え、今風の感覚に目移りして興味を引くこともあるが、


大事としてまことに うるはしき人の調度の飾りとする 定まれるやうある物を難なくし出づることなむ》F
大事の品として誠に厳格な人が調度の飾りにする、形式の定まった品物を欠陥なく仕上げる場合こそ、


なほまことの物の上手は さまことに見え分かれはべる》G
やはり真に評価の定まった名人では、仕上がりに歴然と差が出るものです。

  • 〈直列型〉:修飾 :倒置 
  • 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
  • 〈中断型〉//:挿入 :文終止・中止法
  • 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
  • 〈分配型〉A→B*A→C

 A→B:AはBに係る
 Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
 ※係り受けは主述関係を含む
 ※直列型は、全型共通のため単独使用に限った

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