木の道の匠のよろづ 帚木06章04
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:心に任せて作る作品/決まった基準のある作品
中断型:A→B→C→D→E|F→G:A→B→C→D→E、F→G
《木の道の匠のよろづの物を心にまかせて作り出だすも》A
指物師の匠が、様々な物を心にまかせて作り出す場合でも、
《臨時のもてあそび物の その物と跡も定まらぬは》B
一回切りの賞玩物でこうだと作り方に決まりがない時には、
《そばつきさればみたるも・げにかうもしつべかりけりと》C・D
一見ふざけた印象にもなるものでも、なるほどこんな風にも仕上がるものかと、
《時につけつつさまを変へて 今めかしきに目移りてをかしきもあり》E
時々に合わせて趣向を変え、今風の感覚に目移りして興味を引くこともあるが、
《大事としてまことに うるはしき人の調度の飾りとする 定まれるやうある物を難なくし出づることなむ》F
大事の品として誠に厳格な人が調度の飾りにする、形式の定まった品物を欠陥なく仕上げる場合こそ、
《なほまことの物の上手は さまことに見え分かれはべる》G
やはり真に評価の定まった名人では、仕上がりに歴然と差が出るものです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った