よろづのことによそ 帚木06章03
原文 読み 意味
よろづのことによそへて思せ
02085/難易度:☆☆☆
よろづ/の/こと/に/よそへ/て/おぼせ
(左馬頭)いろいろなことに引き比べてお考えください。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- によそへて思せ 一次元構造
〈[光様]〉よろづのことによそへて思せ
助詞と係り受け
よろづのことによそへて思せ
※以下の左馬頭の発言は、多様な解釈が行われているので、最初に内容を整理しておく。指物・絵・書はいずれの場合でも、空想にまかせた奇抜な作品は、こんな作品もあるのかと最初は目を引くが、引き比べるモデルが実在しないため、出来不出来の判断がむずかしい。一方、誰もが知っている実在のテーマであれば、真に迫るかどうかの判断がつくので、おのずと上手下手の弁別ができる。これを結婚相手の女性を選ぶときの基準に置き換えるならば、手紙の書き方や音楽の腕前など教養として女性が身につけた心得などは興味を引きつけはするが、将来を頼む相手として実態をはかる基準にならない。そうした外付けの飾りに目を奪われず、誰もがもっているもの、やさしさや誠実さなどの心根こそが、結婚相手の善し悪しを決める大事な基準である、という内容。
古語探訪
よそへ 02085
なぞらえて。