心深しやなどほめた 帚木05章07
目次
原文 読み 意味
心深しやなどほめたてられて あはれ進みぬればやがて尼になりぬかし
02068/難易度:☆☆☆
こころ/ふかし/やなど/ほめ-たて/られ/て あはれ/すすみ/ぬれ/ば/やがて/あま/に/なり/ぬ/かし
(左馬頭)仏道心が深いですねなどとほめたてられ、感情がつのればそのまま尼になったりもして。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- ば…になりぬかし 二次元構造
〈[女]〉心深しやなどほめたてられて あはれ進みぬれば やがて尼になりぬかし
助詞と係り受け
心深しやなどほめたてられて あはれ進みぬればやがて尼になりぬかし
この文は「心一つに思ひあまる時は海づらなどにはひ隠れぬるをり/02065」から挿入を挟んでつづく。「海辺などに隠れているときに、関心な仏道心ですねなどとほめられると…」という続き具合。
「海づらなどにはひ隠れぬるをり」→「やがて尼になりぬかし」
「心深しやなどほめたてられて」→「あはれ進みぬれ(ば)」
古語探訪
心深し 02068
愛情が深いのであれば、夫の元へ戻る方向に作用するだろう。尼になる方向からすると仏道心の深さを言うのだろう。出家をすすめる者が、あちこちにいたと思われる。
あはれ 02068
気持ちのたかぶり。