童にはべりし時女房 帚木05章05
〈テキスト〉を紡ぐ〈語り〉の技法
挿入の定義再び 02066
一、文頭・文中・文末を問わず、ある文の中に入っている(主節が別にあるということ)。
二、文の要素に欠落がない(欠落があれば修飾要素、欠落がないから主節から独立できる)
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:発言者(左馬頭)
中断型:/A→B→C/|/D→E/:A→B→C、D→E
《童にはべりし時・女房などの物語読みしを聞きて・いとあはれに悲しく心深きことかなと涙をさへなむ落としはべりし》A・B・C
子供時分、侍女などが物語りを読むのを聞いて、たいそう心打たれ悲しくなんと情の深いことかと涙まで落としたものですが、
《今思ふには・いと軽々しくことさらびたることなり》D・E
今に思えばいかにも浅はかでわざとらしい所業です。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った