またなのめに移ろふ 帚木05章14
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:夫/女/左馬頭の判断
分岐型・中断型・反復型:A|B|C→D→~AE→F:A、B、C→D→E→F
《また なのめに移ろふ方あらむ人を恨みて 気色ばみ背かむ・はたをこがましかりなむ》A・B
(左馬頭)それにまた、ちょっと浮気心を持つ人を恨みかっとなって心が離れるのも、これまた愚かしいことで、
《心は移ろふ方ありとも 見そめし心ざしいとほしく思はば》C
たとえ今心がふらふらしていても見初めあった当初の愛情から相手にすまぬと思う気持ちが男にあれば、
《さる方のよすがに思ひてもありぬべきに》D
頼りがいのある夫だと女は思ってもよいはずなのに、
《さやうならむたぢろきに・絶えぬべきわざなり》E・F
そんな風に気持ちのたじろぎから縁は絶えてしまうものなのです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った