容貌きたなげなく若 帚木04章09
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:(中流以上の)女性一般/発言者(頭中将)
分岐型:A→(B+C+D→E→(F→))G→H:A→G→H、B+C+D→E→G、F→G
《容貌きたなげなく若やかなるほどの》A
器量がわるくなく若々しい年頃で、
《おのがじしは塵もつかじと身をもてなし・文を書けどおほどかに言選りをし・墨つきほのかに心もとなく思はせつつ》B・C・D
自分自身では塵ほどの難点もなきよう身を処し、手紙を書く場合にもおっとりした言葉を選び、墨色は心持ち薄く相手に気を持たせたり、
《またさやかにも見てしがなとすべなく待たせ》E
また直接会いたいものだと詮ない思いで待たせ、
《わづかなる声聞くばかり言ひ寄れど・息の下にひき入れ言少ななるが》F・G
か細い声を何とか聞こうと側に言い寄っても、息の下に声をひっこめ言葉数少ないのが、
《いとよくもて隠すなりけり》H
まっこと見事にアラを隠すものです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った