とあればかかりあふ 帚木04章06
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:妻候補/世の男性(発言者)
分岐型:A→B→(C→D→(E→(F+G→H→)))I→J:A→B→I→J、C→D→I、E→I、F+G→H→I
《とあればかかりあふさきるさにて・なのめにさてもありぬべき人の少なきを》A・B
こちらがよくても向こうがだめという具合に思いにまかせぬもので、不充分ながらそのままでこと足りる人が少ないのが原因であって、
《好き好きしき心のすさびにて・人のありさまをあまた見合はせむの好みならねど》C・D
浮ついた気持ちで面白半分に、女の生態を数多く見比げようとの趣味からではないのだけれど、
《ひとへに思ひ定むべきよるべとすばかりに》E
ひたすら生涯の伴侶を決定せねばと思いつめるばかりに、
《同じくはわが力入りをし・直しひきつくろふべき所なく・心にかなふやうにもやと》F・G・H
どうせならわざわざこちらが骨折りして直し改めねばならないところなどなく、意にかなう風であればと、
《選りそめつる人の・定まりがたきなるべし》I・J
選んでかかる人は決まりにくくなってしまうものなのです。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った