おほかたの世につけ 帚木04章02
目次
原文 読み 意味
おほかたの世につけて見るには咎なきも わがものとうち頼むべきを選らむに 多かる中にもえなむ思ひ定むまじかりける
02048/難易度:☆☆☆
おほかた/の/よ/に/つけ/て/みる/に/は/とが/なき/も わが/もの/と/うちたのむ/べき/を/えら/む/に おほかる/なか/に/も/え/なむ/おもひ/さだむ/まじかり/ける
(頭中将)普通のつきあいをする分には難がなくても、妻として信のおける人を選ぶとなると、多くの女性から選ぶにしてもこの人と思い定めることはなかなかできないものです。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- に…にもえなむ思ひ定むまじかりける 五次元構造
〈[男性]〉〈[女性]〉おほかたの世につけて〈見る〉には咎なきも わがものとうち頼むべきを選らむに 多かる中にもえなむ思ひ定むまじかりける
助詞と係り受け
おほかたの世につけて見るには咎なきも わがものとうち頼むべきを選らむに 多かる中にもえなむ思ひ定むまじかりける
この意見は頭中将「そもまことにその方を取り出でむ選びにかならず漏るまじきはいと難しや/02018」の言い換えであり、頭中将の論とする。
古語探訪
おほかたの世 02048
世間一般の男女の関係。一夫一婦制が確立する以前の状況である点に留意したい。
うち頼む 02048
「うち」はすっかり。少しではない。