さりぬべきすこしは 帚木02章03
目次
原文 読み 意味
さりぬべきすこしは見せむ かたはなるべきもこそと許したまはねば
02011/難易度:☆☆☆
さりぬべき/すこし/は/みせ/む かたは/なる/べき/も/こそ/と/ゆるし/たまは/ね/ば
(光源氏)見せていいのはすこしは見せますよ。でもみとっともないのがあると困るのでねと勝手に見ることはお許しにならずにいると、
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- は見せむ:一次|許したまはねば 二次元構造
@〈[光源氏]〉さりぬべき すこしは見せむ |かたはなるべきもこそと@許したまはねば
助詞と係り受け
さりぬべきすこしは見せむ かたはなるべきもこそと許したまはねば
「ゆかしがれば/02010」→020「許したまはね(ば)」→「(見所はあらめと)怨ずれ(ば)/02012」→「とり隠したまひつ/02014」
古語探訪
さりぬべき 02011
そうあってもよい、すなわち、見せてもよいの意味。「さ」は「ゆかしがれば」を受け、「みたいという思いをかなえても当然よいもの」を意味する。
かたは 02011
見苦しい。
もこそ 02011
将来に対する危惧、この場合そのようなものが出てきたら困るという気持ちを表す。
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光源氏
分岐型・中断型:A|+B→C:A、*A+B→C
《さりぬべき すこしは見せむ》A
見せていいのは、すこしは見せますよ。
《かたはなるべきもこそと・許したまはねば》B・C
でもみとっともないのがあると困るのでね、と勝手に見ることはお許しにならずにいると、