近き御厨子なる色々 帚木02章02
目次
原文 読み 意味
近き御厨子なる色々の紙なる文どもを引き出でて 中将わりなくゆかしがれば
02010/難易度:☆☆☆
ちかき/みづし/なる/いろいろ/の/かみ/なる/ふみ-ども/ひきいで/て ちうじやう/わりなく/ゆかしがれ/ば
手元の御厨子に入っている様々な色の紙に書かれた手紙を引き出して、中将がむやみに読みたがったところ、
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- ゆかしがれば 二次元構造
近き御厨子なる色々の紙なる文どもを引き出でて 〈中将〉わりなくゆかしがれば
助詞と係り受け
近き御厨子なる色々の紙なる文どもを引き出でて 中将わりなくゆかしがれば
「ゆかしがれば」→「許したまはね(ば)/02011」→「(見所はあらめと)怨ずれ(ば)/02012」→「とり隠したまひつ/02014」
古語探訪
御厨子 02010
調度品や書物などをしまう戸棚。
文 02010
手紙。
わりなく 02010
割り切れなさから生じる感情。そんな権利もないのにやけに、むやみやたらと。
ゆかしがれ 02010
単に読みたいだけでなく、その恋文が届いた背景、相手のことなど漠然と知りたい意味をふくむ。