中の品になむ人の心 帚木02章19

2021-04-18

原文 読み 意味

中の品になむ 人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて 分かるべきことかたがた多かるべき

02027/難易度:☆☆☆

なかのしな/に/なむ ひと/の/こころごころ/おのがじし/の/たて/たる/おもむき/も/みエ/て わかる/べき/こと/かたがた/おほかる/べき

(頭中将)中流の女にこそ、それぞれの個性に応じめいめいが目指す志向が見て取れて、目立つ特徴がそれぞれ多くあるに違いない。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • になむ…も見えて…多かるべき 二次元構造

中の品になむ 人の〈心々〉おのがじしの立てたる〈おもむき〉も見えて 分かるべき〈こと〉かたがた多かるべき

助詞と係り受け

中の品になむ 人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて 分かるべきことかたがた多かるべき

「見え」:自動詞「見ゆ」。その様子が外に現れる意味で、主語は「中の品の女性」。

「中の品になむ」→「多かるべき」(係り結び)


「人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて」「分かるべきことかたがた多かるべき」:並列

古語探訪

おのがじし 02027

それぞれ。

おもむき 02027

趣く方向。すなわち、趣味性。

分かるべき 02027

分離できる。他と区別がつく。自動詞。理解できるの意味ではない。

かたがた 02027

それぞれの方面で。

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