中の品になむ人の心 帚木02章19
目次
原文 読み 意味
中の品になむ 人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて 分かるべきことかたがた多かるべき
02027/難易度:☆☆☆
なかのしな/に/なむ ひと/の/こころごころ/おのがじし/の/たて/たる/おもむき/も/みエ/て わかる/べき/こと/かたがた/おほかる/べき
(頭中将)中流の女にこそ、それぞれの個性に応じめいめいが目指す志向が見て取れて、目立つ特徴がそれぞれ多くあるに違いない。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- になむ…も見えて…多かるべき 二次元構造
中の品になむ 人の〈心々〉おのがじしの立てたる〈おもむき〉も見えて 分かるべき〈こと〉かたがた多かるべき
助詞と係り受け
中の品になむ 人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて 分かるべきことかたがた多かるべき
「見え」:自動詞「見ゆ」。その様子が外に現れる意味で、主語は「中の品の女性」。
「中の品になむ」→「多かるべき」(係り結び)
「人の心々おのがじしの立てたるおもむきも見えて」「分かるべきことかたがた多かるべき」:並列
古語探訪
おのがじし 02027
それぞれ。
おもむき 02027
趣く方向。すなわち、趣味性。
分かるべき 02027
分離できる。他と区別がつく。自動詞。理解できるの意味ではない。
かたがた 02027
それぞれの方面で。