容貌をかしくうちお 帚木02章13

2021-04-18

原文 読み 意味

容貌をかしくうちおほどき若やかにて 紛るることなきほど はかなきすさびをも 人まねに心を入るることもあるに おのづから一つゆゑづけてし出づることもあり

02021/難易度:☆☆☆

かたち/をかしく/うちおほどき/わかやか/にて まぎるる/こと/なき/ほど はかなき/すさび/を/も ひとまね/に/こころ/を/いるる/こと/も/ある/に おのづから/ひとつ/ゆゑづけ/て/しいづる/こと/も/あり

(頭中将)姿形が華やぎおっとりとしたたちで若々しくて、他に専念すべきことがないうちは、ちょっとした技芸でも人真似ながら身を入れることもあって、おのずと一つくらいは堂に入った風にやってのけたりするものですよ。

文構造&係り受け

主語述語と大構造

  • に…ゆゑづけてし出づることもあり 四次元構造

〈[女性]〉容貌をかしくうちおほどき若やかにて 紛るることなきほど はかなきすさびをも 人まねに心を入るることもある おのづから一つゆゑづけてし出づることもあり

助詞と係り受け

容貌をかしくうちおほどき若やかにて 紛るることなきほど はかなきすさびをも 人まねに心を入るることもあるに おのづから一つゆゑづけてし出づることもあり

「親など立ち添ひもてあがめて 生ひ先籠れる窓の内なるほどは ただ片かどを聞き伝へて 心を動かすこともあめり/02/020」とこの文は並列。従って「紛るることなきほどは」の方が対の関係がはっきりする(別本は「は」が入る)。なお、色分けも対句を意識した。

「容貌をかしく」「うちおほどき」「若やかに」(並列)→「て」


「紛るることなきほど」→「心を入るることもある」

古語探訪

はかなきすさび 02021:限定用法と叙述用法

たわいのない芸事。和歌や琴など芸事一般に対して。立派な芸事と、立派でない芸事を対比しているのではない。妻選びの要件として芸事は必須でなく、あくまで心情が大事だとの論旨。従って、芸事一般が内実を表さぬはかないものなのだ。すなわち「はかないものである芸事」という形容詞の叙述用法。

うちおほどき 02021

のんびりしている。

紛るることなきほど 02021

「ほど」を程度と解釈すると、他に気持ちをむけず一心不乱にと読める。「ほど」を時間と解釈すると、他にやることがない間はと訳せる。

心を入るる 02021

熱心にする。

ゆゑづけて 02021

その道で相当なものになること。

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