忍ぶの乱れやと疑ひ 帚木01章04
耳からの情報伝達;立ち現れる〈モノ〉
語りの対象:光源氏/左大臣
中段型:A→B|C→D:A→B、C→D
《忍ぶの乱れやと 疑ひきこゆることもありしかど》A
人目を忍んで通う女がおいでかと、大臣家では疑い申し上げることもあったけれど、
《さしもあだめき 目馴れたるうちつけの好き好きしさなどは 好ましからぬ御本性にて》B
そのような実のない、世間でいくらも目にする軽はずみな色事などは、お好みにならないご気性であって、
《まれには あながちに引き違へ心尽くしなることを 御心に思しとどむる癖なむあやにくにて・さるまじき御振る舞ひもうち混じりける》C・D
稀には、強いてご気性に反して心を磨り減らす恋情を、御心に思いつづけるご性癖が思いのほかお強くて、あってはならぬお振る舞いもついうち混じるのでした。
- 〈直列型〉→:修飾 #:倒置
- 〈分岐型〉( ):迂回 +:並列
- 〈中断型〉//:挿入 |:文終止・中止法
- 〈反復型〉~AX:Aの言換えX ,AB:Aの同格B
- 〈分配型〉A→B*A→C
A→B:AはBに係る
Bの情報量はAとBの合算〈情報伝達の不可逆性〉
※係り受けは主述関係を含む
※直列型は、全型共通のため単独使用に限った