あへなく あえなく 敢へなく 敢えなく 敢へ無く 敢え無く あへなし あえなし 敢へなし 敢えなし 敢へ無し 敢え無し 01-034

2021-04-13

ことが決定し、元に戻らない、手の打ちようがない感情。死が確定したことからくる感情。
一縷の望みをかけながら、側で見守れないやり場のなさを感じている帝と、直接話法で桐壺更衣の死を嘆く話し言葉を場面を、一文の中でぶつける点が、ストーリーの急展開を描くのに効果をあげている。このあたりも不自然死を感じさせる。


御使の行き交ふほどもなきに なほいぶせさを限りなくのたまはせつるを 夜半うち過ぐるほどになむ絶えはてたまひぬる とて泣き騒げば 御使もいとあへなくて帰り参りぬ

付き添った使者が戻る時間でもないのに気詰まりをとめどなく口になさっておられたところ、夜中少しまわった頃、命が絶えてしまわれたと女房たちが泣き騒ぐので、使者もどうにもならず宮中に戻って来た。

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