いづれの御時にか・いづれのおほむときにか・いずれのおんときにか・いずれの御時にか 01-001

この部分の解釈としてこれまで「いつの時代か」「定かでないが」という問いと答えが用意されてきたが、光源氏の父帝の在世であることは自明であり、「いつ」という問い立て自体成立しない。
西洋時間が導入される以前、「時」を考える際に ...
ときめき・時めき/ときめく・時めく 01-001

「時」は好時節、「めく」は視覚・聴覚に訴える。全体として好時節が到来したようにはたからは見えるとの意味である。男性社会なら取り立てられて地位が上がるなど、後宮であれば帝の寵愛を集める、とある。自分を超える存在に取り立てられて、予期せぬ ...
けり 01-001

「き(過去の助動詞)」や「く(来)」と現存をあらわす「あり」が共存してできた助動詞。時間や距離を飛び越えて、今ここにという感覚。物語の冒頭にしばしば現れ過去をこの場に呼び起こす。文中では忘却していたことがらを今に生起させる。物語冒頭の ...
おもひあがり・おもいあがり・思ひあがり・思いあがり・思い上がり/おもひあがる・おもいあがる・思ひあがる・思いあがる・思い上がる 01-002

単に自負の念が強い等の意味ではなく、帝の寵愛を得て次期皇太子を宿すのは私だとの激しい意気込み・プライド。上流貴族の娘が宮廷生活に入る目的は御子を生み、皇太子に据えること。女御を支える一家の命運がここにかかっている。
はじめ ...
もの・物 01-002

「人」に対立する語で、めざましさそのもの(「めざましさ」が物象化して目の前に立ち現れたという感覚)。軽視の対象として物扱いされているとする注もある。異論はないが、現代人には日常感覚では生じない「もの」への感覚、動かせない、思い通りにな ...