まちがほならむゆふぐれ 待ち顔ならむ夕暮れ まちがおならむゆうぐれ 02-012
夕暮れに待ち焦がれた女が男に出す誘いの手紙。左馬頭の語る木枯しの女の先触れになっている。「(言=事)構造」。
そのうちとけてかたはらいたしと思されむこそゆかしけれ おしなべたるおほかたのは 数ならねど程々につけて書き交はしつつも見はべりなむ おのがじし恨めしき折々 待ち顔ならむ夕暮れなどのこそ見所はあらめと怨ずれば
(頭中将)その心を許した読まれては恥ずかしいとお思いなのが見たいんですよ。変わりばえしないありふれたのなら、人数にも入らぬわたくしでも分相応な相手とやりとりしながら読みますとも。お互い不実をかこつ折りだとか、人待ち顔でいよう夕暮れなんかの手紙だとか読みごたえはありましょうと恨めしがったところ、