げんじのきみ 源氏の君 01-136
源氏性を受けて臣下となったことが知られる。
源氏の君は御あたり去りたまはぬを ましてしげく渡らせたまふ御方はえ恥ぢあへたまはず いづれの御方も われ人に劣らむと思いたるやはある とりどりにいとめでたけれど うち大人びたまへるに いと若ううつくしげにて 切に隠れたまへど おのづから漏り見たてまつる
源氏の君は帝のお側からお離れにならないので、誰にもまして帝が足繁くお通いになる藤壺の宮は恥らい通すこともならず、そもそもどの女御方も自分が人より劣っているとお思いになるはずもなく、お一方お一方が魅力に溢れていらっしゃるがやや年嵩であられるのに引き換え、藤壺の宮はとても若く愛らしく懸命にお隠れになるが、魅力がおのずと漏れ出し若宮の目に留まるのでした。