このひとのみやづかへのほい このひとのいやづかえのほい このひとのいやづかえのほんい この人の宮仕への本意 この人の宮仕えの本意 01-069

2021-04-13

「この人」は桐壺更衣。「宮仕への本意」は、宮仕えにでる宿願でなく、宮仕えを続けて帝の子を儲けたいという宿願である。桐壺は強い個性が見られないので、そうした本意がないようにも思えるが、前世からの契りも深く、決して帝の思いを受けるのみではない。積極的に帝への思いもあるのである。


生まれし時より思ふ心ありし人にて 故大納言いまはとなるまで ただこの人の宮仕への本意 かならず遂げさせたてまつれ 我れ亡くなりぬとて口惜しう思ひくづほるなと 返す返す諌めおかれはべりしかば

生まれた時から望みをかけてきた娘で、父の亡き大納言が今際(いまわ)の際まで、ただこの人を宮仕えへに出す宿願必ず遂げて差し上げよ。私が亡くなったとて不甲斐なく節を曲げてはならないと、返す返す諌めおかれましたから、

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