あまりに 余りに 01-011
後宮内で側にまつわせておくのはともかくも、それが習慣化したあまりに、公然たる公の行事でも、真っ先に帝の側に呼びつけたということ。帝の妻である後宮の女性が衆目の集まる場面に出てくること自体尋常でないから、帝の側仕え要員とみなされているのである。
おぼえいとやむごとなく上衆めかしけれど わりなくまつはさせたまふあまりに さるべき御遊びの折々何事にもゆゑある事のふしぶしにはまづ参う上らせたまふ ある時には大殿籠もり過ぐしてやがてさぶらはせたまひなど あながちに御前去らずもてなさせたまひしほどに おのづから軽き方にも見えしを
帝からの引きはこれ以上にないほどで女御の風格をお備えでしたのに、帝がむやみと側にお留になるばかりに、立派な管絃の会の折りや格式あるどんな行事にも真っ先にこの方をお召し上げになる、時には共寝したまま起きそびれそのまま側仕えをおさせになるなど、強引にお手元からお放しにならないうちに、おのずと品下る方と見られもしたものですが、