うたがひなき うたがいなき 疑ひなき 疑いなき うたがひなし うたがいなし 疑ひなし 疑いなし 01-009
他に取って変わられる恐れがないこと。
一の皇子は右大臣の女御の御腹にて 寄せ重く疑ひなき儲の君と世にもてかしづききこゆれど この御にほひには並びたまふべくもあらざりければ おほかたのやむごとなき御思ひにて この君をば私物に思ほしかしづきたまふこと限りなし
第一皇子は右大臣家の娘である女御がお産みの御子で世の信頼が厚く、紛がうことなき次期皇太子だと、世間は大切に慈しみ申し上げているけれど、若宮が放つ魅力には及ぶべくもないことなので、第一皇子は公(おおやけ)として相応に尊ばれたのに対して、この宮は秘蔵子として慈しみお育てになるご愛情には限りがございませんでした。