おもひとまるひと 思ひとまる人 おもいとまるひと 思いとまる人 02-053
「棄てるのを思いとどまる」の意味で解釈されているようだが、思ひ(愛情)が他の女性に移らない、とどまっている。先に出た「心とまる/02-042」が愛情がわく意であったように、「とまる」はじっとしている、そこに根付くの意味。
かならずしもわが思ふにかなはねど 見そめつる契りばかりを捨てがたく思ひとまる人は ものまめやかなりと見え さて 保たるる女のためも 心にくく推し量らるるなり
(左馬頭)必ずしもこちらの望みに添うのではないが、ひとたび結んだ夫婦の契りを棄てがたく愛情を注ぎつづける男は誠実を地でゆくものと見え、そうなればこそ 縁を保たれる女性も世間から奥ゆかしく人だと思われるのです。