くらうどどころのたか 蔵人所の鷹 くろうどどころのたか 01-161
馬と一緒に、蔵人所の鷹を止まり木に止まらせた状態で贈った。乗馬も狩も公家のたしなみ。六芸(礼 楽 射 書 御 数)のうちの御(ぎょ)と射(しゃ)にあたる。これは左大臣が賜った。「例のことなり」と断りがない。「限りある事に事を添へて/01-142」の「事を添へて」に当たるか。それ以外に事を添えたものはなさそうである。そうであれば、これが/01-159で説明した私的応援の証となる品である。鷹が贈られることが王朝人にとってどういった意味があったか、その内包は不明だが、外延としては、朱雀帝が夢でこの父帝に睨み付けられた時の目つきと関連すると思う。源氏物語の細部と大構造は曼荼羅図のように関連しあうと私は見ている。
左馬寮の御馬 蔵人所の鷹 据ゑて賜はりたまふ
左馬寮の馬と、蔵人所の鷹は止り木に止まらせて下賜される。