やみのうつつにはなほおとりけり やみのうつつにはなおおとりけり 闇のうつつにはなほ劣りけり 闇の現にはなほ劣りけり 闇の現には猶劣りけり 01-052

「むばたまの闇の現はさだかなる夢にいくらもまさらざりけり(暗闇の逢瀬ははっきりした夢より少しましなだけ) 古今集、恋三、読み人知らず)を下にひく。「なほ劣りけり」は「いくらもまさざりけり」に対する語。元歌が少しましという少ないがプラス評価であるのに対して、幻との逢瀬は、定かなる夢にも等しい闇の逢瀬と比較して、ずっと劣るという評価。


かうやうの折は 御遊びなどせさせたまひしに 心ことなる物の音を掻き鳴らし はかなく聞こえ出づる言の葉も 人よりはことなりしけはひ容貌の面影につと添ひて思さるるにも 闇の現にはなほ劣りけり

このような折には管弦の遊びなどを催しになられましたもので、あの方は人より豊かな感情を込めて琴を爪弾し、はかなく消えてしまったその時歌った愛の言葉にしても、人とは異なる色香漂うお顔立ちが幻のように月の面と重なるのを御覧になるにつけても、歌にある闇中の逢瀬よりも更に実在感に乏しいものでした。

01-052 かうやうの折は 御

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