人びと ひとびと 02-119

特に光源氏から戯れ言を言いかけられた中納言の君と中務であろう。この家の一番の主人である左大臣の動作を笑うことで、光源氏の戯れ言を受け入れ、左大臣や葵の上よりも光源氏に仕える意思表示をしたことになる。以後、葵の上や左大臣の動向をこれらの女房を通して知り得る立場となる。


大臣も渡りたまひて うちとけたまへれば 御几帳隔てておはしまして 御物語聞こえたまふを 暑きに とにがみたまへば 人びと笑ふ

左大臣もこちらの棟へお越しになり、光の君がすでにくつろいでいらっしゃるので、御几帳を隔ててお坐りになってお話を申し上げになるのを、「暑いのに」と苦い顔をなさると、房たちは笑う。

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