はかなきはなもみぢといふも 02-115

2021-01-14

織女や龍田姫が神の話であり、実際の女性論にならない。龍田姫が紅葉の神格化であることから、この世の存在である紅葉に話題を移し、紅葉との関連で、花紅葉とした。以下、織女や龍田姫のような理想ではなく、一般女性を花紅葉に譬えて論じる。「というも」は譬えて言ってもの意味。


中将 その織女の裁ち縫ふ方をのどめて 長き契りにぞあえまし げに その龍田姫の錦には またしくものあらじ はかなき花紅葉といふも をりふしの色あひつきなく はかばかしからぬは 露のはえなく消えぬるわざなり

頭中将は「その七夕姫の裁ったり繕ったりする方面をほどほどにして彦星との長き契りにあやかればよかったね。まったく竜田姫の錦とあっては他に比較できる代物はないだろうが、この世のものである花紅葉にたとえてみても、時節時節の色合いが周りと調和せずそれでいてくっきりと目立つ美質がないようでは、夫の愛情という露を受けて女は魅力の色を増すことなく消えてしまう道理なのだ。

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