しのびて 忍びて しのぶ 忍ぶ 01-119

2021-05-15

人目を忍んで。帝の子であることを隠し、先入観なくその子の持って生まれた運命を見定めてもらうのが狙いであるから、東宮を擁する右大臣一派に見つからないように、右大弁の子になりすましたことをいう。


そのころ 高麗人の参れる中に かしこき相人ありけるを聞こし召して 宮の内に召さむことは 宇多の帝の御誡めあれば いみじう忍びて この御子を鴻臚館に遣はしたり

その頃、高麗人が来朝した中に人並み外れた人相見が来ていることを帝はお聞きあそばされて、宮中に招くことは宇多天皇の御遺誡があることなので、至極内密に、この御子を鴻臚館(こうろかん)にお遣わしになられたのです。

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