こころやまし 心やまし 02-082
劣等意識と結びついた不快感をあらわす。この提案を受け入れれば光源氏と妹葵の上の夫婦仲がうまくいくと思い、日頃の劣等感も取り消せるはずであったのが、とりあってもらえず、頭中将は不快に感じている。
ともかくも 違ふべきふしあらむを のどやかに見忍ばむよりほかに ますことあるまじかりけり と言ひて わが妹の姫君は この定めにかなひたまへりと思へば 君のうちねぶりて言葉まぜたまはぬを さうざうしく心やましと思ふ
(頭中将)とにもかくにも、気のそまぬ点があろうとゆったりかまえ辛抱するよりほかいい手立てはないでしょうねと言って、自分の妹君である葵の上はこの結論通りでおられると思うが、光の君は狸寝入りして言葉をお挟みにならないので頭中将はじれったくいらだたしく思う。