ひのみや 日の宮 01-140
光源氏の母のイメージ。太陽があって、そこから光が生まれる。
世にたぐひなしと見たてまつりたまひ 名高うおはする宮の御容貌にも なほ匂はしさはたとへむ方なくうつくしげなるを 世の人 光る君と聞こゆ 藤壺ならびたまひて 御おぼえもとりどりなれば かかやく日の宮と聞こゆ
帝が世に類なしとお見立て申し上げる若宮であり、名高くいらっしゃっる東宮の御容貌であっても輝くように匂い立つ美質は比べようがなく愛らしく見えるので、世の人は、光の君とお呼び申し上げた。藤壺の宮は輝く美しさがこの君に並ぶもので、帝のご寵愛は引けを取ることがなかったので、世の人は、輝く日の宮とお呼び申し上げた。