こなたは住みたまは 若紫15章04

2021-05-10

原文 読み 意味

こなたは住みたまはぬ対なれば 御帳などもなかりけり 惟光召して 御帳 御屏風など あたりあたり仕立てさせたまふ

05242/難易度:☆☆☆

こなた/は/すみ/たまは/ぬ/たい/なれ/ば みちやう/など/も/なかり/けり これみつ/めし/て みちやう みびやうぶ/など あたり/あたり/したて/させ/たまふ

こちらの方はお住みになっていない対だから、御帳などもなかった。惟光を召して、御帳、御屏風など、そのところそのところに整えさせになる。

こなたは住みたまはぬ対なれば 御帳などもなかりけり 惟光召して 御帳 御屏風など あたりあたり仕立てさせたまふ

大構造と係り受け

古語探訪

こなた 05242

「このかた」の変化したもの。西の対を指す。「御帳」は、あとで屏風と並列されているところからすると、御帳台(御座の周囲に垂らす帳)でなく、御簾(みす)、すなわち、廂の間と母屋をへだてる帳(とばり)であろう。

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