我が御車に乗せたて 若紫07章04

2021-05-05

原文 読み 意味

我が御車に乗せたてまつりたまうて 自らは引き入りてたてまつれり もてかしづききこえたまへる御心ばへのあはれなるをぞ さすがに心苦しく思しける

05112/難易度:☆☆☆

わが/みくるま/に/のせ/たてまつり/たまう/て みづから/は/ひき/いり/て/たてまつれ/り もて-かしづき/きこエ/たまへ/る/みこころばへ/の/あはれ/なる/を/ぞ さすが/に/こころぐるしく/おぼし/ける

大臣は自分のお車の上座(カミザ)にお乗せ申して、自分は下座(シモザ)にお乗りになる。あれこれとお世話申し上げる心遣いの愛情あふれる様子を、さすがに申し訳なくお思いになるのだった。

我が御車に乗せたてまつりたまうて 自らは引き入りてたてまつれり もてかしづききこえたまへる御心ばへのあはれなるをぞ さすがに心苦しく思しける

大構造と係り受け

古語探訪

乗せたてまつり 05112

「たてまつり」は補助動詞で謙譲表現。「引き入りて奉れり」の「奉り」は乗るの意味の本動詞で尊敬表現。

引き入りて 05112

おそらく光の下座についたことであろう。末席ではない。

心苦しく 05112

左大臣への申し訳なさ。

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