藤壺と聞こゆ 桐壺09章06
目次
原文 読み 意味
藤壺と聞こゆ
01132/難易度:☆☆☆
ふぢつぼ/と/きこゆ
藤壺と申し上げる。
文構造&係り受け
主語述語と大構造
- と聞こゆ 一次元構造
〈[世人]〉藤壺と聞こゆ
助詞と係り受け
藤壺と聞こゆ
藤壺と聞こゆ
助詞:格助 接助 係助 副助 終助 間助 助動詞
助動詞の識別:φ
敬語の区別:聞こゆ
藤壺と聞こゆ
尊敬語 謙譲語 丁寧語
古語探訪
藤壺 01132
藤壺は清涼殿の北にある飛景舎(ひげいしゃ)のことで、藤が植えられていることから藤壺の異称を持ち、宮もその名で呼ばれた。
聞こゆ 01132
文中にないがこの文の主語は宮中の人々で、「聞こゆ」は「言ふ」の謙譲語。「言ふ」の動作対象である藤壺の宮に対する敬意表現である。桐壺更衣の場合には「御局は桐壺なり/01015」と表現されていた。ここでは局の名前の紹介のため、名乗り表現ではないとも考えられるが、生前に桐壺の名が出るのはこの箇所のみであり、この部分を名乗りでないとするなら、生前名乗りのないままであったことになる。いずれにしろ、扱いのうえで藤壺の宮とは好対照をなす。