つれなう心強きはた 末摘花01章03

2021-05-10

原文 読み 意味

つれなう心強きは たとしへなう情けおくるるまめやかさなど あまりもののほど知らぬやうに さてしも過ぐしはてず 名残なくくづほれて なほなほしき方に定まりなどするもあれば のたまひさしつるも多かりける

06003/難易度:☆☆☆

つれなう/こころづよき/は たとしへなう/なさけ/おくるる/まめやかさ/など あまり/もの/の/ほど/しら/ぬ/やう/に さて/しも/すぐし/はて/ず なごり/なく/くづほれ/て なほなほしき/かた/に/さだまり/など/する/も/あれ/ば のたまひ/さし/つる/も おほかり/ける

冷淡なほどに芯の強い女などでは、まるで違う感じで愛情のない生真面目さなどを示し、あまり人の情理を知らないようであるが、かと言ってそのように一生を送ることなく、心持ちは跡形もなく崩れてしまい、ごくつまらない男のもとへ納まったりすることもあるので、恋をしかけた途中で手を引いた場合も多かった。

つれなう心強きは たとしへなう情けおくるるまめやかさなど あまりもののほど知らぬやうに さてしも過ぐしはてず 名残なくくづほれて なほなほしき方に定まりなどするもあれば のたまひさしつるも多かりける

大構造と係り受け

古語探訪

つれなう 06003

冷淡な。

たとしへなう 06003

二者を比較して全然違うの意味。前段の慎ましき女性とは違いの意味。

情けおくるる 06003

情愛に欠ける。

さてしも 06003

かと言って、そのようには。「さ」は「たとしへなう情けおくるるまめやかさ」を指す。

なほなほしき 06003

普通の、平凡な、つまらない。

のたまひさしつる 06003

言い寄っておきながら、途中で投げ出すこと。

Posted by 管理者